令和8年(2026年)4月16日、国税庁が、取引相場のない株式の評価に関する有識者会議を開催することを発しました。問題意識としては、非上場株を中心とした取引相場のない株式の相続税評価に関しては、いわゆる財産評価基本通達という実務上大きな影響力ある通達に計算方法がいくつか定められていますが、各計算方法で評価額に乖離が生じていること等から、評価のありかたを見直すということのようです。
取引相場のない株式の評価に関して、財産評価基本通達には大きく①類似業種批准方式、②純資産価額方式、③配当還元方式の3つが規定されており、相続税や贈与税等の課税のために取引相場のない株式の時価を評価する場合、上記3つの計算方法のいずれかで計算されることが通例です。
国税庁が行った調査によれば、類似業種批准方式によって算出した価額と純資産価額方式によって算出した価額を比べると、純資産価額方式によって算出した価額が有意に高額になっており、純資産価額方式の適用を回避しようとするスキーム(「評価額圧縮スキーム」)が確認されていることが指摘されています。こうした問題に対応するため、取引相場のない株式の評価を見直すため、令和8年(2026年)4月20日から有識者会議がスタートしました。
具体的にいつから見直しとなるかは不明ですが、取引相場のない株式の評価は、非上場会社の事業承継等に密接に絡みます。また、少し場面は違いますが、スタートアップ投資における株価(いわゆるバリュエーション)の考え方も、独特なものがあり、なかなか理屈だった説明が難しい面があります。そもそも税額計算のための評価方法と、M&A等や会社法上の株式買取請求権等における評価方法で考え方の違いが相応にありますので、非上場会社において”株が動く”場面では注意が必要であり、有識者会議の動向を注視しようと思います。